■ 音が伝わるとは? ■
 音は振動している物体から生じます。つまり、空気中などの気体の中や固体・液体の中を伝わりますが、真空の中は伝わりません。物体が振動すると、近くの空気が押されてその部分だけ空気が濃くなります。
 空気の濃い部分が近くの空気を押し、空気の濃い部分が移っていきます。
 空気にうすい部分と濃い部分ができます。これは水面に小石を投げ入れたときに広がって伝わる波のようすに似ています。
 音の波は空気のうすい層(疎)と濃い層(密)が交互に伝わっていくので、疎密波とと呼ばれます。この疎密波は耳に届いて鼓膜が振動しその振動の信号が脳に伝わり、脳が音として判断します。
 音は波として伝わります。波というと、進行方向と垂直のほうに振れる右図のようなものを想像しますが、これは「横波」と呼ばれるもので、音の波は縦波です。
 音の性質を表すとき、図は横波のような形をしていますが、これはオシロスコープなどの機械を通して、振動した幅と時間の関係を表示し、音の波を見やすくしたものです。
縦波(進行方向と同じ向きに振れる)→
横波(進行方向と垂直のほうに振れる)→
 音は空気の圧力変化が波(音波)として伝わるものです。この圧力変化 の量を音圧と言います。
 音圧の単位は圧力の国際単位パスカル(Pa)です(1気圧 = 約1000 hPa = 約100000 Pa)。人間が聞き取ることのできる最小の音の音圧は約20 μPaで、これは 1気圧の約100億分の2という非常に小さい値です。人間の耳は驚くほど感度が良いばかりでなく、かなり広い範囲の音圧に対応しているわけです。
音は液体にも伝わります。
 これは気体も液体も同じように疎密を伝える”流体”のなかまだからです。”流体”とは気体や液体のことで、固体と違って、流動的な性質を持っています。
 また空気中より水中のほうが音速が早い理由に、水の密度や弾性が空気とは違うということがいえます。
音を伝えるのは、気体や液体だけではなく固体も音をよく伝えます。
 固体の方がよく伝えることができるのです。
 駅のホームに立っていると電車の姿は見えないのに、線路はカタカタとなっているのが聞こえることがあります。これはまだ遠くにいる電車の振動が線路をはるばる伝わってきているためなのです。このとき空気を伝わる音はまだ聞こえないのに、線路を伝わってくる音が聞こえるのは、線路のような堅い固体を伝わる音は空気中よりも弱まりにくいからです。
 つまり、遠くからの音でも固体中を伝わってきた物は耳に聞こえる十分な強度を保っているからなのです。また固体中では音が伝わる速さもずっと早くなります。
 このことは、固体が、液体や気体のような流体と違って振動の方向が疎密波だけではないからなのです。
参考にしたホームページ
http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/oto1.html
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/oto/naiyou/seisitu2/