脳の構造     

 

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人間の脳は、大脳(だいのう)、間脳(かんのう), 脳幹(のうかん)、小脳(しょうのう)の4種類に,大きく分けられます。

間脳は、視床(ししょう)と視床下部に、脳幹は中脳、橋(きょう)、延髄(えんずい)に分けられます。中脳、橋、延髄は、間脳を含めた大脳を支える幹のようにたとえられ、脳幹といいます。

 

 

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大脳の重さは、成人で約1.3〜1.6kg。

脳を構成する主役は「神経細胞」です。

神経細胞は、電気信号を発して情報(じょうほう)をやりとりする特殊な細胞です。

その数は大脳で数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個にもなるらしいです。

大脳で数百億個という報告(ほうこく)では、

大脳の神経細胞は140億個、まわりのグリア細胞が、これの9倍というデータもあります。ちなみに、体重60kgの人の全細胞数は、約60兆個です。このうち、脳細胞は、ほんのすこしになります。一番多い細胞は、免疫(めんえき)にかかわる細胞です。

確認です。

前頭葉、頭頂葉、後頭葉と側頭葉は、1つの大脳のいろいろな機能を理解するために、解剖上(かいぼうじょう)付けられた名称(めいしょう)です。

大脳は1個で、脊髄とつながっています。

それでは、魚、カエル、カメ、すずめなどの脊椎(せきつい)動物の脳は、どうなっているのでしょうか。また、人間の脳に、どのように進化したのでしょうか。

その前に、神経系について、一言。

神経系は、中枢(ちゅうすう)神経系と末梢(まっしょう)神経系でできています。中枢神経系は、脳と脊髄からなります。末梢神経系は、頭蓋骨と脊柱の外に分布する神経線維の束であり、脳神経、脊髄神経と自律神経からなります。脳組織から出る脳神経は12対で、中枢神経ではありません。

中枢神経系で、脳は神経管が膨らんだものから発生するため、神経管を有する動物が脳をもつことになります。アニメでみてみましょう。人体の正常構造と機能 VIII 神経系(1)の図を改変

g脳の最初の起源(きげん)は、原索動物です。

前脳胞(ぜんのうほう)は、終脳と間脳に、菱脳胞(りょうのうほう)は、後脳と髄脳になります。

後脳は小脳と橋、髄脳は延髄となり、尾方に脊髄が続きます。

次に、カエル、ワニ、ネズミの順で、脳の進化をアニメで見てみましょう。人体の正常構造と機能 VIII 神経系(1)の図を改変

動物が高等化(こうとうか)するにつれ、終脳の割合は高くなります。

ヒトでは終脳85%、間脳1.9%、中脳0.8%、小脳10.5%、橋0.5%、延髄0.5%,脊髄2%になります。

 

小さな脳から大きな脳へ、進化したのはなぜかな。???

恐竜(きょうりゅう)が登場したのは約2億3000万年前です。恐竜は大型の爬虫類(はちゅうるい)で、昼行性でした。昼間に活動し、夜は寝ていたようです。

同じころ、爬虫類から進化した初期(しょき)の哺乳類(ほにゅうるい)も生きており夜行性で、昼間はじっとし、恐竜のいない夜に、細々(ほそぼそ)と生きていたようです。夜行性のため、見ること、聞くこと、嗅(か)ぐことの感覚が鋭くなり、これらを関連(かんれん)づける脳の構造が出現しました。連合野(れんごうや)というものです。

この連合野、とりわけ前頭葉連合野は、爬虫類(はちゅうるい)から哺乳類(ほにゅうるい)に、さらに、サルから別れて、ヒトに進化した過程で、大きくなりました。ヒトの大脳新皮質の約30%を占めます。

下のアニメで、おおまかな脳の進化の過程を見てください。人体の正常構造と機能 VIII 神経系(1)の図を改変

アニメで、青い部分が前頭葉の連合野をさします。

アニメの中で、「新世界ザル」は南アメリカ大陸に住む、鼻の穴が左右に広がっている広鼻猿類のことです。新世界というのは、南アメリカ大陸を新世界というため、新世界サルと呼ばれます。

一方、アジア、ヨーロッパ、アフリカは旧世界というので、そこに住むサルのことを「旧世界ザル」と呼びます。これらのサルは、左右の鼻の穴がせまいため、狭鼻猿類と言われます。旧世界ざると新世界ざるとが分かれたのは、3000〜4000万年前と言われています。

類人猿には現生の次の動物が含まれます。

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アニメで学ぶ子供のための医学に飛びます。