肺動脈に血栓が見つかったため、IVCフィルタが挿入され、様子を見ていた患者のようでした。ワーファリンしかなかったこの時代、最低限、D-dimerとTT,INR,PTを測定することは、原則です。戒めとして、アップしました。

 

 

ヘパリンを持続投与し、APTTとACTがモニターされ、血栓予防ができていると考えていたとき、心房細動のある本症例では、肺動脈血栓塞栓症が発生しました。果たして、予防できていると想定した治療範囲内のAPTTとACT値が得られていたから、血栓はできていないと考えていいのでしょうか。このとき、D-dimerを測定していたら、早い段階で、ヘパリンの効果がやや弱いと推測できたのではないでしょうか。

 

2011年に、ワーファリンに加えて、DOACが発売されました。以下に、薬剤情報の文章を掲載しておきます。

まず最初に第U因子、トロンビン阻害薬である商品名プラザキサカプセルに関しましては、1日2回の服用です。特に、1回量150rの2回服用に関しては、今までの大規模試験で唯一ワーファリンに対して
有意に虚血性脳卒中を抑制できたというエビデンスがあります。ただし、特徴として、酒石酸というカプセルで覆われていますので、それによって胃腸障害、胸やけ、ディスペプシアといいますけれども、そういうものも出やすいという特徴があります。あとは、代謝がほぼ腎臓の代謝ですので、腎障害がある患者さんに対しては使いにくい。そういう注意すべき点もあります。また、カプセルですので、この薬は一包化とか粉砕はできないといわれています。
イグザレルトに関しては、1日に1回の服用でいいという利点が挙げられます。本
薬剤は肝臓で代謝されていきますので、中等度以上の肝障害に対しては、使用
については十分注意する、あるいは禁忌とされています。この薬は、一包化
もしくは粉砕をすることができますので、そういう意味では高齢者の方に使いやすい薬だと思います。

。エリキュースの特徴は、イグザレルトと同じ第]因子阻害薬ですけれども、これは1日2回服用する
必要があります。この薬は減量する基準が非常に明確です。一つは年齢・80歳以上、一つは腎機能、血清のクレアチニンが1.5r/?を超える方、3つ目が体重、60sを超えない、そういうやせた患者さんに関しては減量すべきだという基準が設けられています。ですので、この薬の特徴としましては、抗凝固薬の最も留意すべき特徴である出血という副作用に対して事前に十分対処できるといえます。
リクシアナという薬です。この薬が4種類の薬の中で最後に登場した薬ですけれども、この薬はイグザレルトと同様に1日1回の服用でいいという利点があります。また、大出血の出現頻度も、ワーファリンより少ないという大規模臨床試験の結果も出ています。ただ、薬価が他のNoAC3剤に比べて今現在は少し高いという欠点があります。そのほか、本薬剤は非弁膜症性の心房細動以外に、今現在は深部静脈血栓症に対して唯一予防保険承認を得ているという特徴を有しています。

 

 

バイアスピリンを常備薬として、内服していた患者でした。外傷による出血は多く、ややコントロールに苦労しましたが、亡くなられました。非常に残念でした。深夜に急患がICUに入室したため、一般病棟に出ました。その日の朝方、腹痛のあと、亡くなりました。心電図の変化、生命徴候の変化も分からないままでした。ワーファリンで調節しようと考えていたときでした。凝固・線溶に問題がある患者の治療は難しいと感じました。

シートベルトを装着せず、エアバッグで両側気管支動脈を損傷したと思われる一症例を経験しました。ヘパリンを使用していたため、出血を助長したと思われました。エアバッグの外力が気管支動脈に、なんらかの損傷をもたらしたことが原因と推測しました。